◇漱石文明論集◇

はて。久々に本をプレゼントされたことで心に新鮮な風が吹いた。

「模倣と独立」からちょっと抜粋。

ヒューマンレースね。ほんとそうだ。
なんだか堅苦しく難しく書かれているから少しとっつきづらいけれど、
日々コーヒー飲んでタバコ吸いながらぼんやりと考えているようなこと
夏目漱石は見事にそんなことを表現している気がしました。
そういう意味で、偉大な庶民だったのかなぁ。

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人間という者は大変大きなものである。私なら私一人がこう立った時に、貴方がたはどう思います。どう思うといった所で漠然たるものでありますが、どう思いますか。偉い人と速水君は思うか知らんが、そんな意味じゃない。私は往来を歩いている一人の人を捉(つか)まえてこう観察する。この人は人間の代表者である。こう思います。そうでしょう神様の代表者じゃない、人間の代表者に間違いはない。禽獣(きんじゅう)の代表者じゃない、人間の代表者に違いない。従って私が茲処(ここ)にこう立っていると、私はこれでヒューマン・レースをレプレゼントして立っているのである。私が一人で沢山ある人間を代表していると、それは不可(いか)ん君は猫だと意地悪くいうものがあるかも知れぬ。もし貴方がたがこういったら、そうしたら、いや猫じゃない、私はヒューマン・レースを代表しているのであると、こう断言するつもりである。異存はないでしょう。それならば、それで宜(よろ)しい。
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